月見猫

PENTAXカメラ愛用、旧レンズ集め、月の写真、野鳥や北海道の写真を写しています 連動ブログhttp://mooncats1966.blog.fc2.com/もどうぞ

7月14日の放牧馬

今日訪れた濤沸湖は網走原生花園を挟んでオホーツク海浜と沿うように長く伸びています
湿地が広がるこの場所には昔は多くの馬が放牧されていて子供の頃は原生花園の自然より伸び伸びと過ごす馬の姿の方が記憶に残っています
しかし時代の流れか今では湿地には当時の名残が伺えるだけであの活き活きとした馬の姿は見る事が出来ません
いつもは網走から国道を走りここへと訪れるのですが今日は湖の裏側へと出る道を走り初めて通る道
ゴルフコースを横切る形で湖沿いに出るとそこには子供の頃に見た放牧馬がいる光景でした

沢山の馬たちが集った当時とは規模も馬の種類も違いますが湖をバックに草を食む馬の姿に懐かしさがこみ上げます
病弱だった母親が入院など家を留守にすると決まって親戚の家に預けられた自分、親戚は農家を営む家庭で祖父母の兄弟でした
家には馬屋があり自分は草を運んだり体を拭いたりと子供がすることですから世話とは呼べるほどではないのですが馬と接することが多かった環境でした
馬というのは賢くて何よりも人の心を察知するのに長けた動物、初めは大きな馬体に何処か怖がっていた自分に「馬は優しくて臆病、だからいつも相手の心を伺っているから素直に優しい気持ちで触りなさい」と親戚の叔父さんは教えてくれました

当時は農機具と農耕馬が混在していたので馬も大切な農家の一員だった時代、農作業を終えると馬を近くの川まで連れてゆき体の汚れを洗い流してやり綺麗に拭き上げていました
夕暮れになり父がバイクで親戚宅へと迎えに来ると父の後ろに乗った自分を馬が馬屋から見送っていたそうです
農耕馬としての役目を終えた馬は数年後まで親戚宅で過ごしていたんですが最後は病気で亡くなりました
後に叔父さんから聞いた話ですが自分が預けられるようになる前に仔馬を出産したのですがすぐに死んでしまい母馬として目の前に現れた自分を子供のように可愛く思っていたのかもしれないと教えてくれました

目の前にいる数頭の馬たちを眺めていて子供の頃の懐かしく・喜ばしく・悲しく・切ない思い出が蘇り胸が熱くなりました