月見猫

PENTAXカメラ愛用、旧レンズ集め、月の写真、野鳥や北海道の写真を写しています 連動ブログhttp://mooncats1966.blog.fc2.com/もどうぞ

12月10日の月(皆既月食)

昨晩はやや雲はありましたが雲に流れがあり満月が隠れきってしまうこともなく何とか皆既月食を眺めることができました!
ただ唯一残念だったのは・・・夜勤だったこと(笑)仕事の合間を見つけては窓から身を乗り出して高い位置に昇った月と皆既月食を写していましたー

これはまだ地球の影が月に落ちていない午後8時前の月、写真で左端には満月の目安である「嵐の大洋」の向こう岸がハッキリ見えていますね

次は9時ごろの月、この頃からよく見ると月の左側がやや暗くなり始めてきますー判るでしょうか?
これは半影と呼べばよいのか、よく手を翳して影を見ると手の形に影ができますがよく見ると影の縁に薄い影の部分がありますよね?
それと同じように太陽に照らされた地球の半影が月に掛かり始めた光景です、月自体が満月でとても明るく本当の影で陰り始めを感じますがこの半影がそれの始まりを知らせています

そして10時を迎えると陰り方もハッキリしてきました、ここで月に興味がある人は「当たり前ー」と思ってしまうかもしれませんが幾つか違和感を感じる方もいると思います
それは毎回周期的に月は満ち欠けをしているので「月食と言っても月が欠けるだけでしょ?」と感じてしまいがち
でも公転で毎日姿を変えている月の満ち欠けとは逆に左側から掛け始め、欠けている部分は月の球体に沿った形ではなく地球の影が落ちているので丸く「絵で描く三日月」みたいに弧を描くような影り方ですね
昔、地動説ではなく天動説が当たり前だった時代・・・悲しいことに事実を知りながら宗教的な弾圧を恐れて地動説を訴えることも適わない時代がありました
ガリレオは木星の周りを周る衛星を望遠鏡で見て同じように地球の周りを月が回っていて地動説を唱えましたがそれより更に昔からこの月に落ちる皆既月食の影が地球の影だと悟り地球も球体で月はその周りを周回していたり太陽の周りを互いに回っている存在だと理解していて人々もいました、凄いことですよねー

11時近くなるともう手持ちでは暗過ぎて写すのも厳しく三脚が使いたいのですが・・・何せ夜勤中の身、仕事の合間に外へ出ては1・2枚写して戻る感じなのでISO感度を上げて粗くなりますが撮影を続けました

そして11時過ぎには皆既月食へと突入です、目では何とか見えているのですがこの影に月が隠れた時に確かめたかったのが太陽と地球と月の位置

「え?月食だから地球を挟んで太陽と月が直線で並んでいるんでしょ」となりますね、でも教科書や説明で単純に一直線と描かれている皆既月食の時の状態
そんな簡単に宇宙空間に浮いた3つの星が正確に並ぶわけはありません(笑)

ちょうど見頃の皆既月食状態が粗い写りしか貼れなくてスミマセン!やっぱり手持ちだと難しいですねー
でも赤みが広がり地球の縁(大気)を通過した太陽の薄明かりで赤く見える月にも赤以外の光が届いていて白く見える部分がありますね?

この一連の写真を見ているとその白い部分は移動しています、赤みが強く陰りが濃いのはやや上側にズレているのに気付きましたか?
皆既月食、今年は初夏と今回の2度ありましたがなかなか見ることのできない天体ショーです
特に今回は高く昇った位置でそれを迎えたので天気さえ好天なら沢山のみなさんがこの天体ショーを見ることができたんでしょうねー

12時を過ぎると今回の天体ショー(皆既月食)も終わりに近付いてきました、まるで月の満ち欠けを遡るように見えるこの光景を昔の人達は不吉な兆候や現象と捉える傾向もありましたが宇宙空間で地球の存在を確認出来る現象でもあるんですよね

この皆既月食がもし珍しくなく頻繁に満月で起きる現象だったら・・・人間は天動説を唱えず地動説が早くから信じられ立証も容易だったかもしれませんね

そして1時を過ぎ普段見る満月へと姿を戻し、今年最後の「月のイベント」は終わりを迎えましたー
10日・11日と日付を跨いで夜空に映えた今回の皆既月食、ちょうど隠れきった状態での写真が満足できる撮影で写せなかったのが残念でしたが仕事の合間でも充分天体ショーを楽しめました!
いつもながらの月写真ですが天候が悪かったり時間の都合が付かなかった方に少しでも昨晩の皆既月食をお伝えできたらと貼ってみましたー