月探査機「嫦娥3号」
3日に新月を迎えた月、昨晩はまだ太陽の近くにいた月ですのでその姿は凄くか細く見ることは出来ませんね
今日の夕方あたりからは西空に日暮れ時の三日月が見え始める頃、日付は前後しますが新月を迎える前日(2日)
中国からロケットが打ち上げられました、乗っているのは月探査機「嫦娥3号」
実は中国の「嫦娥(じょうが)計画」というのは2007年から始まった月への挑戦計画で嫦娥1号は月周回して月調査を行いました
2010年には嫦娥2号が打ち上げられ更に近い周回で更に詳しい月調査を行いました
そして2013年の今月、嫦娥3号が月へ着陸して更に詳しい調査(探査)を行うため月へと向かっている途中なのです
実際に月へと降り立つのは嫦娥3号から切り離されたランダー=着陸機(アポロのように人が乗っていれば着陸船となりますが探査機なので着陸機)から「玉兎」という探査機が動き出し月を移動しながら探査します
中国が予定している着陸箇所は自分も大好きな「雨の海」に接する「虹の入江」だと書かれていますね
現在月へと向かっている嫦娥3号が月の周回に入るのが明日6日、ここで周回軌道に上手く入れなければ月を通過してしまうのですが1号・2号が成功しているので大丈夫だと思います
更に14日に月へとランダーを降ろし月面着陸が行われる予定です
月面で動き回るローバーの名前は「玉兎」、これは「月の兎」という意味もあります
以前、嫦娥計画について書いたことがありますが次に月へ人が立つとしたら中国だろうと思っていました
それは日本が何かというと優れていると謳う「技術(科学)力」や「国産品質」などより何倍も何十倍も備わっている「国力」と「実行力」が中国にはあると感じているからです
それはアポロ計画を進めていた当時のアメリカと同じように「国の力を示す」勢いがあります
経済成長や国家としての一丸が無ければ行うことのできない技術力とともに資金力もなければ出来ない国家計画
日本にも経済成長や技術躍進はありましたがアメリカやロシアの協力を得なければ人を地球周回まで上げることも出来ない状態に留まっています
ロケットや探査機などを開発して打ち上げるまで成長し「はやぶさ」ではイトカワから微量のサンプルも持ち帰りました
しかし人命を掛けても安全に打ち上げられる自信と実行力は育めませんでした・・・
残念なことですが「火の起こし方は知っていても自らの手で火を起こすことは怖くて出来ない」のと同じことで言葉は悪いですが「頭でっかち」なままで足踏みしている状態
そこには日本という国に力強さや強行力が無い表れだと感じています
嫦娥計画は今のところ順調に進んでいます、しかしこれからも失敗の可能性と戦いながら進んでゆくことでしょう
今回の月着陸と探査が成功すれば次は「月からのサンプル持ち帰り」を行い「月へ人間の着陸と帰還」
更には「月への居住施設の建設」までが嫦娥計画として予定されています
最後の計画はアメリカのアポロ計画でも成し得なかったことであり中国としては宇宙進出においてアメリカの偉業を抜くことを目指しているんでしょうね
アメリカはアポロ計画途中で資金問題や国民の支持低下などを理由に計画を断念しました
当時ソビエトだったロシアとの宇宙競争を月への人類到達で勝利したと満足してしまったのが大きかったのでしょうね
しかし今回は月への人類到達では何十年も前に成し得た偉業に並んだだけで終わってしまいます
ですから中国は月に人が住める施設を建造するか最低でも人工物を建てなければ計画が成功したと言えない状況です
失敗や困難を乗り越え、国政が大きく変わることなく資金的にも捻出して月へ何処まで突き進めるか自分は楽しみにしています
月への進出にアメリカなど揶揄する発言もあるようですが少なくても戦争や軍事的に用いられるようなロケット技術より自分は世界各国が月に幾らでも進出して行ってもらいたいと願います
これからどんどん満ち始める月、満月を迎える前には最後のソビエト(ロシア)以来37年ぶりに探査機の月着陸が成功していれば嬉しいですね
中国で生まれた月の兎(玉兎)が見る月の光景はどうなのか、そしてランダーに備わった望遠鏡で月から見る星々も凄く楽しみです
もしかすると玉兎は雨の海を横断してアポロ15号に出会えるかもしれませんね、計画には無いと思いますがもしも実現したら米中間の垣根を越えた出会いになると思いませんか?