月見猫

PENTAXカメラ愛用、旧レンズ集め、月の写真、野鳥や北海道の写真を写しています 連動ブログhttp://mooncats1966.blog.fc2.com/もどうぞ

2010年 (1984年作品)

この映画は「2001年・宇宙の旅」の続編です、前作があまりにも先進的で美しい映像(当時としては)だったので続編には厳しい評価が多いのも事実ではありますが前作の意味が数多く解明される内容で「2001年・宇宙の旅」を更に知りうるにはこの映画が欠かせない存在なのは確かです

お話は前作で起きた木星付近での事故後のストーリーで題名どおり2010年の話です
残念ながら今がその2010年ではありますがそこまで人類の宇宙進出は進んでいませんね(笑)
そして原作や映画が作られた時代背景からロシアはソ連のままで冷戦体制でアメリカとの関係も今では変化していますね
あと前作と今作では年数の開きから残念なことにフロイド博士を演じる俳優が変わっています

事故と言うか事件のあった木星近くのディスカバリー号は監視されていたが放置されたままで年月が過ぎるばかりだった
計画の失敗と事故の責任でフロイド博士は半ば引退の状態で過ごしていた
そこにソ連(ロシア)の科学者が訪れると予想をしないことを口にした
「ソ連は木星に向けて宇宙船を打ち上げるが博士に同乗してほしい」とそれは木星で起きたディスカバリー号の情報を聞き出したい口実だったのかもしれないが博士は大きく惹かれてしまう
そして科学者は貴重な情報を与えてくれた「ディスカバリー号に変化が起きている」
何年も変化の無かったディスカバリー号の軌道が変化しているのだった、何年も動かなかった宇宙船が誰もいないはずなのに動き始めている
フロイド博士はHALの生みの親と信頼できる技術者の三人で「アメリカの機密(ディスカバリー号)を守るために」と政府を説得しソ連の宇宙船に乗り込むことになった

ソ連の宇宙船が木星に近付くと3人のうちフロイド博士のみが人口冬眠から目覚めさせられる
それは木星の衛星で不可解なデータが観測されたからだった、ソ連では情報が不足しておりフロイド博士の知識が必要となったためだった
無人探査機を差し向けると衛星からのデータは驚くべきものだった、そこには生物が生存できる環境が存在していた・・・
驚く博士たちは更に探査続けるとそれを拒絶するかのように地表から発射されるビームのようなものが!
何が起きたのか困惑する乗員達、そして宇宙船は事故の後放置されたままのディスカバリー号へと辿り着いた

ディスカバリー号に乗り移るとHALの異変が事故ではなく人間達の失態で起きたものだったことが判明
ソ連とアメリカの協力でこの任務はスムーズに進むよう感じられた矢先に地球上では両国の緊張関係が最悪のものへと進展してしまったのだ
遠く離れた宇宙空間でも二つの宇宙船に分かれての緊張関係が始まってしまう
国家の対立で分かれてしまう乗員達、別々に帰還準備を始めるがフロイド博士の前に信じられない姿が現れる
それは前作で事故に合い不明となっていたデビット船長だった、幽霊のように姿を現した船長は博士に急ぎ木星から離れるように進言する
木星近くの巨大なモノリスを探査していてソ連側の乗員が事故に合う出来事や死んだはずのデビット船長の出現で危機を感じた博士は宇宙空間で不本意ながらも国の支持で対立状態にあるソ連側の宇宙船へと急ぎ帰還を始めようと投げ掛けた

はたして木星で起きる異変とは?死んだはずの船長の言い残した「素晴らしい出来事」とは?両国の宇宙船が協力しないと出来ない早期帰還開始は出来るのか?人間のために異変を起したHALは再び人間のために動いてくれるのか?
これまた前作同様に後半のストーリーは宇宙と言うより国境を越えた人間の結びつきや人間とコンピューターの思考というテーマに重点が置かれた内容になっています

フロイド船長を演じるのはロイ・シャイダー 前作を演じたウィリアム・シルベスターは残念ながら亡くなっていましたので彼が博士を演じることになっていますが・・・個人的にはミスマッチだった感じがあります、何故なら前作のフロイド博士とは逆のイメージが浸透しているがゆえの違和感ですね(笑)
デビット船長は前作同様キア・デュリア 一番驚いたのは16年と言う映画設定より長い年数を重ねているのにほとんど変わっていない彼にビックリです、確かにメイクや撮影で若く見せているのでしょうが続編としてイメージを引き継ぐのに凄く大切な役柄(存在)となっています

この映画は独立した一本の映画としては存在の薄い映画です、原作ではこの後(未来)に繋がる大切な作品なのですが前作の「2001年・宇宙の旅」で描けなかった話や真実を「こうゆうことだったんです」と説明するだけに終わってしまった感じがするかもしれません
しかし何故木星が重要なのかそしてこれから置きうる出来事は何故「素晴らしいこと」なのか?何故ここから急いで離れなくてはいけないのか?
更なるこれからの展開も投げ掛けて終わるのですが・・・前作の完成度から見ると・・・抽象的過ぎると言うか・・・
描いていることは凄く広大で神秘的な内容なんですが扱っている描写が何とも現実過ぎる内容で残念です
映像も綺麗ではありますが宇宙船にしても惑星にしても「見慣れたSF映画」レベルで新鮮さが失われてしまっています

あまり良いことを書かずに終わってしまいそうな一本ですが「2001年・宇宙の旅」から更なる進展を求めて見る映画ではなく
「2001年・宇宙の旅」が素晴らしかったけどよく理解できなかった、監督の伝えたかった答えが欲しいという方は是非見て欲しい作品ですね
自分は前作で月を眺める時の楽しみが増え、この作品で木星とガリレオ衛星をもっと知りたくなりました
そして何よりも地球以外に生命が存在する可能性が決して空想の中だけは無い可能性があると夢が膨らみましたー

2010年 [DVD]

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